クルマユリ（写真１）は高山帯から亜高山帯の草原に分布する貴重な山野草（高山植物）です。

譲渡を受けた希少な種子から研究所内で無菌播種し、球根の増殖を行っていました。

しかし、外の世界に慣れさせる段階になると予期せぬトラブルで枯れてしまっており、今まで開花に成功していませんでした。

今回ようやく開花し、初めて花を撮影出来ました。

他の国内原種ユリも順調に生育しています。オトメユリ（写真２）は、県内の一部地域と群馬県福島県にしかない貴重な原種ユリです。

ササユリと共に、世界でも珍しい「ピンク色の原種ユリ」で、世界でこの２種しか存在しません。

タモトユリ（写真3）も順調に花芽をつけています。野生では一度絶滅しており、これは当時園芸用として流通していた球根から増殖し保存、維持しています。現在は維持していた２系統を交配させ、その種子系統も育成しています。

これらを栽培するのに重要なのが水やりの管理です。研究所では自動潅水システムを導入し、完全自動潅水を行っています（写真４）。